平皿

立て続けに色あせた写真(って段々死語になっていくのかなぁ)を記事に載せたので、

もうちっと昔に浸ってみよ。

 

写真はその昔、定期的に入ってきた仕事の1つで、

最も注文の多かった型の平皿作品。

金属を扱う作業でもっとも気を使う作業は仕上げの磨き作業ですが、
皿、器の底の部分などを平らにする工程は、最も難しい作業に属します。
叩いて形成していく段階で、金属板はそこから薄く伸びていき、
その伸びしろが、叩いた箇所を中心に外に広がっていきます。
 そうして板を伸ばしながら形成していくのですが、同時に叩いた時の力が周囲に伝わり、歪みもどんどん広がっていき、

一定の場所で留まります

その溜まった歪を逃がしつつ平にしていきます。

銅は比較的柔らかい金属で真鍮や銀と比べて力の伝達が鈍く、一度火でなまし柔らかい状態にすれば、

歪みを取るのも難しくないのですが、真鍮や銀は歪みが出始めたらすぐに修正しないと、

収拾がつかなくなる事もあります。
 この皿は、その歪みを取る良い練習になりました。

そして、収拾が付かなくなったものは、熟練の職人さんに助けてもらってました。

要するに尻拭いをさせてたってことです。

日本の厳しい職人の世界と違い、すぐに色々チャレンジさせてもらえたのが素晴らしいところです。

横の関係意識の強い国民性が職人の世界でも出てますね。


 

葡萄と苺の打ち出し平皿。

本当は写真のように作品の上にタガネをジャラジャラ置くのは、傷が付くためしてはいけない事ですが、、、。

今見ると葉っぱのバランスなど、突っ込みどころ満載な下手さです。